私どもでは経営計画・事業計画のアドバイス、策定の支援を行っております。

■ 一般企業の経営計画・事業計画
■ 行政機関に関わる事業計画…補助金、指定管理・プロポーザル

はじめに:「経営計画」と「事業計画」の違いとは?

経営の現場では、「経営計画」と「事業計画」は混同して使われることも多くあります。
簡単に違いを説明します。

一般的に「経営計画」は、会社全体の経営に関する計画や方針をまとめたものを指します。
一方「事業計画」は、会社の中にある事業や部門の計画や方針をまとめたものと考えます。

つまり「部門ごとの事業計画をまとめ、会社全体の経営計画としてまとめる」というイメージです。

一般的な企業における経営計画・事業計画

(1)経営計画策定のプロセスと完成イメージ

経営計画の策定は、決算期(自社の年度末)前に行います。
策定プロセスの概要は次のようになります。

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1.前年度の、計画と実績の差異とその分析、自社が抱えている問題点と課題の洗い出し
2.1.を踏まえて、社長や幹部で来期以降の経営方針や目標を設定する
3.その方針や目標を部門ごとに落とし込み、各部門の事業計画を策定する
4.各部門から上がってきた事業計画を調整し、まとめて会社全体の経営計画に仕上げていく
――――

最もオーソドックスな「中期経営計画」のもくじは、概ね次のようなものです。

① はじめに
② 会社のポリシー、社是、社訓、経営に関する考え方、行動指針など
③ 今期の数値目標と実現のための具体的行動方針
④ 前期の振り返り(計画と実績の差異とその分析、問題点と原因、今後の課題など)
⑤ 今期の数値目標(損益計画、部門別損益計画)
⑥ 数値目標達成の具体的な行動計画(全社)
⑦ 部門別の行動計画
⑧ 広告宣伝費(必要に応じて)
⑨ 組織体制(組織図)
⑩ 人材採用計画、育成計画
⑪ 会議体系
⑫ 計画に対する進捗管理体制
⑬ 用語集

会社の規模や事業内容により、構成は変わります。また社長の考え方をもっと強調することもあります。
改善すべき課題、例えば賃金制度と人事評価制度の改善が喫緊の課題であれば、その内容について具体的に追加することもあります。

(2)経営計画の策定は、社長だけではなく経営幹部も参画することが望ましい

中小企業の場合、経営に必要な知識を持っていて、経営に関わる問題対応ができる経営幹部は少ないのが実情です。

「経営の責任は社長が取るもの、自分はたまたま長く会社にいるから幹部になっているだけ」という、会社(社長)も幹部も不思議な暗黙の了解で成り立っていることが多いのではないでしょうか。

そこで「経営計画策定プロジェクト」を立ち上げ、会社に関する問題点や課題を明確にし、具体的な改善策を検討していきます。
メンバーは、社長、経営幹部、幹部候補などで構成します。

このプロジェクトを通じて、メンバーの社内における課題の共有、個人の能力向上や意識改革を進めることも可能です。

経営計画の策定には、少なくとも3か月程度は欲しいところです。
弊社では、このような経営計画策定のお手伝いをいたしております。

行政機関に関わる「事業計画」とは

(1)行政機関における「事業」の位置づけ

補助金申請には、必ず事業計画が必要になります。
これは、企業の経営計画や事業計画の概念とは少し異なります。

そこで国や自治体など行政が使う「事業」という言葉について、簡単に整理しておきましょう。

(予算科目の分類)
予算科目の分類

表の通り、大分類、中分類で予算が決まり、その下の階層で、具体的な用途が決まっていきます。
行政機関においては、「目」の段階で「事業」を執行します。土木工事であれば、「○○橋梁修繕工事事業」という感じです。

(2)補助金申請の事業計画のポイント

補助金の場合、各補助金の公募要領を見ると、一番最初に「本補助事業の目的」が示されています。
当然のことながら、補助金申請に必要な「事業計画」は、この補助金の目的に合致したものでなければなりません。

補助金の事業計画で必要な内容

事業計画の内容は、自社の置かれている背景や環境、SWOT分析、具体的な施策、収支計画、対象経費、事業リスクとその対策などを具体的に記載します。
これらは実現可能性を感じさせるもので、かつ審査員に分かりやすい内容が求められます。
いくら素晴らしい内容でも、補助金の目的に沿っていなければ、採択されません。

(3)指定管理者制度や企画競争入札(プロポーザル方式)などの事業計画(提案書)

指定管理者制度や企画競争入札(プロポーザル方式)の場合、「申請書」または「提案書」という呼び方が一般的です。
とはいえ、作成するものは「事業計画」そのものです。

ここでも重要なことは、公募要領に記載されている募集目的の意図を読み取り、それに応える内容でなければならないということです。

補助金の場合は、中小企業などの経営を支援する側面が強いため、自社が主役となります。
しかし、指定管理者制度や企画競争入札は、「公の施設」を管理することになるため、主役は「公の施設」です
自ずと事業計画とアプローチは変わってきます。

指定管理やプロポーザルの提案書で必要な内容

内容的には、「公の施設」を所有している自治体の考え方、地域住民の意向、施設の状況といった背景や環境を調査分析し、自社の強みをどのように活かすか、そして収支計画となります。
それを行政に響くように提案書をまとめていく、ということになります。

指定管理者制度の場合、管理期間は普通5年間です。したがって提案書の計画も中期的な視点で作成しなければなりません。
今は○○だが、3年目には○○、5年目には○○に改善していく、というスタンスも必要です。

これらを理解し、計画を策定していくことが求められます。

経営計画や事業計画の策定は楽しい

計画とは、「近い将来、このようになりたい」という夢や希望を取り込みつつ、一方で「実現性が高いもの」でなければなりません。

一見、相反することのように思えますが、計画段階で詳細まで落とし込みができているものは、計画と実現のブレが少ないものです。

弊社に依頼される経営者の方には、縮小マーケットへの進出、短期間での補助金申請、なかには相当な無茶ぶりをいただくこともあります。
それでも集中的に話し合い、情報を収集分析することで、具体的かつ実現可能性の高い計画ができるものと信じています。

最近はAIという強い味方が増え、より広い視点で計画策定ができるようになりました。

事業計画や経営計画の策定は楽しいですよ。
ぜひ、ご一緒に計画策定をしていきましょう。

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