ポスティングに「気」は乗るか?

「ポスティング」とは、専門の配達員がチラシやDMを各戸のポスト一軒一軒に投函する仕事です。
皆さんのご自宅のポストにも、チラシやDMが配布されていることがあると思います。

一軒家もあれば、マンションやアパートなどの集合住宅もあります。
配達員の賃金は、一軒あたりいくら、というものです。ですから、たくさん配布する方が収入は増えるわけです。

最近は新聞をとっている家庭が減り、情報を提供したい側からすると、新聞折り込みチラシの効果は半減しています。
その代わりに、各家庭に確実に届くポスティングは有力な広告手段なのです。
 

ポスティングを依頼する側(発注者)の関心事は、どのくらい効果があるか、つまり「反響の大きさ」です。

例えば、注文住宅を建てている工務店が、新築の完成見学会を開催してその付近のお客さまを集めたい、というときにポスティングを依頼します。
そのチラシを見て、見学会に来場していただくことが「反響」となります。

1万軒に配布して、10人の来場者があれば、反響率は10/10,000で、0.1%となります。
「えっ? たった0.1%?」と思う方。実はこのケースで0.1%はそう悪くありません。
 

ポスティングの効果(反響率)には、いくつかの要素が影響します。
・提供する内容(イベントや売り出し)が多くの人に関心があるもの
・チラシの出来栄え(引きつける魅力的な内容)
・配達先の選定
などです。

新築の見学会で言えば、その地域全体にまくわけですから、新築に関心がある方はかなり限定されます。
チラシの出来栄えで、その会社のセンスがにじみ出ます。
そして配布エリア内と言えども、明らかに築年数10年以下の家に配布しても、ほぼ反響はないと思われます。
 

ここからはポスティング会社の社長から聞いた話です。
次の4パターンのうち、ポスティングの反響が大きい(反響率が高い)のはどれか? というものです。

(1) ポスティング会社の配布スタッフが配布
(2) ポスティング会社の社長が配布
(3) 依頼する側(発注者)の社員が配布
(4) 依頼する側(発注者)の社長が配布

もちろん配布するチラシ、エリアなどの条件は同じです。
反響が大きい順に並べるとどうなるでしょうか?
 

先日ある会社の営業マンに、この問いかけをしてみました。
彼は「普通に考えれば同じではないですか?」と言うのです。確かにそう思うのも無理はありません。
でも違うのです。少し考えてみましょう。

(1) ポスティング会社の配布スタッフの場合
彼らは「1軒ポストに入れるといくら」という歩合給制ですから、少しでも多く配布することが基本です。反響は気にしません。

(2) ポスティング会社の社長の場合
この配布で反響が大きければ、引き続き我が社を利用してくれるだろうと考えます。従って配布に気合が入ります。

(3) 依頼する側(発注者)の社員の場合
自社に少しでもお客さまが増えれば(反響が大きければ)自分たちのためになる、と前向きに考える社員がいます。一方で、営業でもない自分がなぜ駆り出されるのか、と否定的にとらえる社員も少なくありません。

(4) 依頼する側(発注者)の社長の場合
我が社の次の仕事につなげる大事な営業作業であり、決して安くない広告宣伝費をムダにしたくないと、それはもう必死。力も気合も入ります。
 

というわけで。
正解は、(4)→(2)→(3)→(1) となるそうです。

その差を分けるものは何か?

私は、「気合い」とか「気持ち」、「やる気」、「元気」、「士気」、「根気」など「気」の持ち方、使い方ではないかと考えています。

この「気」がチラシやDMに乗り移るのです。
そして、その先にいる潜在的なお客さまに伝わり、「ん? このチラシのイベントに行かなきゃ」となるのではないでしょうか。
 

実は、それを裏付けるような出来事が最近ありました。

先日、私の企画した集客提案で、ポスティングを実施しました。
チラシは、文章や写真撮影など全て私が担当し、制作したものです。

その効果検証のため、イベントの近隣約700軒に自分で配布しました。
当然、相当「気合い」を入れて配布しました。
その結果、5人の来場がありました。反響率0.7%です。

これはいけると思い、翌週はポスティング業者に依頼し、4,000軒配布しました。
4,000軒×0.7%=28人の見込み。
ところが、結果はなんと「ゼロ」。一人も来ないという事実・・・。
 

あまり科学的根拠はないのですが、やはり「気合い」「気持ち」が入るか入らないかで、結果が大きく変わると思っています。
普段からの心がけが大事なのではないでしょうか。

この話、皆さんはどう思われますか?