「どついたろか」の正解は・・・

ミタ : さっきの話ですけど、関西で「どついたろか」と言われたら、何と返すのが正解なんですか。
マセ : 「あー、すまんすまん」かな。「ごめーん」とか、「すまんのぅ」とか。基本、悪びれてないの。
ミタ : なるほど。軽い感じであやまる、みたいな。

マセ : 「すまんすまんすまん」 「ごめんごめんごめん」 「悪い悪い悪い」、そんなんや。
それでおしまい。
頭に来てると、ツッコミ返しする。「すまんで済んだら警察いらんわ」みたいなね。

吉本新喜劇でみんな一斉にコケる、あのノリなんやね、結局は。
コケ方もルールがあるんだよね。イスとか蹴飛ばして、派手に音を立ててコケなきゃいけない。

ミタ : 聞いたことあります(笑)
そのノリからすると、「どつくことないだろ」は、かなりシュールですね。
マセ : 相手はシュールじゃないだろうけどね。こっちは「そういう切り返しがくるんだ」って。勉強になるよね。

方言、いろいろ

ミタ : 東京弁は真似できるけど、関西弁は真似できないですよね。
マセ : できないね。うちの娘なんかも全然できない。「なんねん」て言うからね(笑)
ミタ : 「なんねん」、違うんですか。

マセ : ぜんぜん違うよ。「んやねん」だよ。
ミタ : 「な」にアクセントがあるんですか。言われないと全然分からないです。
マセ : そうだよね。ま、そのぐらい違うんだよね、発音って。

秋田に行ったとき、秋田弁を練習したけど、難しくて上手くいかなかった。「んだ」だけは合格(笑)
ところが、僕の栃木弁や茨城弁は、違和感がないらしい。いま茨城に住んでる同級生がいるんだけど、彼が「お前、ネイティブだよ」って。
ミタ : それはかなりネイティブですね。

マセ : 愛知の三河弁は、父が三河だし、親戚もいるから、時々は耳にしていた。仕事でも三河に行ってたから、なんとなく上手くしゃべれた時もあったんだけど、この頃は下手になっちゃったな。
名古屋弁も、名古屋に親戚がいるから馴染みはあるんだけど、全然真似ができない。難しくて。

そういえば、僕らより上の世代の女性がしゃべる名古屋弁は、なんとも可愛いよね。
ミタ : 優しい、柔らかい名古屋弁ですね。確かに可愛いです。

マセ : それから、徳島の阿波弁。関西弁ベースだから、共通する部分はあるんだけど、徳島の人に言わせると、「阿波の人じゃないよね」って。すぐ分かっちゃう。
ミタ : ちょっとずつ違うんですね。

バイリンガルの秘訣

マセ : こないだ、知人と話してたんだけどね。大阪の、歌の上手い中学生くらいの子を発掘して、東京でレッスンをする。そうすると、ちゃんと大阪弁と東京弁のバイリンガルになる。
それってすごいことだな、と思ってね。

これが、18歳過ぎ、例えば大学から東京に来た場合。微妙に関西弁が残っちゃう。
ミタ : 18歳までの間に、何かがあるんですか。

マセ : そう。これはね、世界中の言葉がみんなそうらしい。それは20年くらい前から、僕知ってて。自分の実体験もあるからだけどね。

以前親しくしていた弁護士先生がいてね。その先生は、お父さんの仕事の都合で、13歳の時にドイツに行ったの。弟さんがいて、当時10歳くらいかな。
それで、何年間かドイツに住んで、日本に帰ってきた。

弁護士さんの方は、完全にバイリンガルになって、今でも日本語とドイツ語が自由に操れる。切り替えもとてもスムーズ。
僕の東京弁と関西弁より、はるかに価値があるよ、って(笑)

ミタ : ドイツ語も自由自在、いいですね。うらやましいです。
マセ : そう、かっこいいんだよ。

ところが、弟さんの方は、ちょっと若かったんだね。ドイツにいた時はドイツ語がペラペラだったのに、日本に帰ってきたらほとんど忘れて、しゃべれなくなった。
ミタ : えーっ。そんなことあるんですか。

マセ : うん。13歳から18歳くらいの間に、移り住むことが重要らしい。もちろん個人差はあるけどね。
その期間にはまると、それまで住んでいた所の言葉、母国語と、移り住んだ土地の言葉のバイリンガルになる。
ミタ : すごい話ですね。

マセ : 母国語の期間が短くてもダメだし、時期がずれてもダメらしい。面白いよね。
ミタ : 何ででしょう。脳のつくりに関係するんですかね。不思議ですね・・・。

(2017年2月収録)