オリンピック2~盛り上がらない仕掛け

地方に行くと、「東京はオリンピックで盛り上がっているんでしょうね?」という質問を受けます。

確かに、オリンピック招致が決まった瞬間からその週末までは、皆さんもご承知の通り、それなりに盛り上がっていました。
しかし、まだあれから3週間しか経っていないのに、もうすっかり元の状態に戻っています。

地方の皆さま、東京はとりたててオリンピックで盛り上がってはいません。
なぜでしょうか?

まず、デパートやスーパー、商店街などでありそうな「2020東京オリンピック開催決定、○○セール」的な催し物がないのです。
本来なら街中に「オリンピックおめでとう」的なものがありそうですが、ほとんど見当たりません。
これはオリンピックが極めて商業的なイベントになってしまった副作用なのです。

1980年のモスクワ大会までは、「オリンピックはカネがかかりすぎて儲からないイベント」でした。
どうかすると、開催決定地が辞退することもありました。

しかし1984年のロサンゼルス大会から一変します。
「オリンピック」そのものを商品としてしまい、その公式スポンサーに権利を販売する、或いは放映権を販売するという、ビジネスとして成り立つスキームを確立しました。

その頃から、オリンピック旗の使用さえ、公式スポンサーしか使えない状況になっているそうです。
ですから、勝手に「オリンピック」の文字や五輪旗を使ったら後で大変なことになるのです。
商店街のおめでとうセールはもとより、デパートの開催セールなどもってのほか。

という訳で、地味な感じになっています。

こうして7年間、地味に過ごすのかも知れません。
ちっとも第4の矢にはなりませんね。