フランチャイズ加盟前に絶対注意しなければならない5つのポイント

新規事業や脱サラで、何か新しいビジネスを考えている方も多いと思います。
その選択肢の一つに、フランチャイズ(FC)ビジネスがあります。

フランチャイズビジネスには、実に多くの種類があります。
しかしそこには、法令違反すれすれの勧誘をするところもあれば、確たるノウハウもないのに本部を名乗っている場合もあります。
ですから、加盟する前にしっかりと見極めたいものです。

そこで、フランチャイズビジネスを検討されている方に、少なくともこれだけはチェックして欲しいことをまとめてみました。

「フランチャイズシステム」とは何か

フランチャイズシステムは、フランチャイズ本部(フランチャイザー、通称「ザー」)と加盟店(フランチャイジー、通称「ジー」)が、フランチャイズ契約を締結します。

そして、加盟店は本部に加盟金やノウハウの研修費を支払い本部は持っている商標やノウハウを提供する、というビジネスモデルです。

ビジネスモデルのノウハウは本部企業がパッケージ化しているので、失敗のリスクは少ないとされています。
しかし現実は違います。

中には、自社の資金繰りが厳しいために、加盟金目当てで、フランチャイズ化をしている本部もあります。
また、比較的しっかりしている本部でも、契約して加盟金が入り、研修が終わると、後の面倒はほとんど見ないというところもあります。

しかも、どのフランチャイズも業界内での競争が激化しており、参入しても本部が言っているような売上や利益を確保できるとは限りません。

ですから、フランチャイズに加盟するときは、慎重に冷静に検討することを強くおすすめします。

では、そのために注意する5つのポイントを順に見ていきます。

ポイント1:「未経験者、素人でも安心」は本当か?

例えば、飲食業の経験もない、接客業の経験もない、どちらかといえば人とのコミュニケーションを取るのは苦手、そのような人がラーメン店のフランチャイズに加盟して成功するか、というとどうでしょうか?
簡単ではないことは想像がつきますね。

もちろん人には無限の可能性があるので、一概に成功しないとは言えません。
しかし、やはり向き不向きもあるので、加盟したら何をしなければならないのかをよく見極めることが重要になります。

ポイント2:フランチャイズの投資に対する回収がどのくらいかかるか?

フランチャイズには、郊外型飲食店のような初期投資が1億円以上かかるものもあれば、清掃系のように個人でも入れる500万円程度のものもあります。
初期投資がどのくらいの期間で回収できるかが重要なポイントです。

仮に前者の年間最終キャッシュフローが2,000万円であれば、1億円の回収には5年かかることになります。
後者は、年間最終キャッシュフローが200万円であれば、2.5年となります。

業界や規模の違いにもよりますので、一概に良い悪いは言えません。
ただし目安として、投資回収は3年くらいにしたいものです

ポイント3:本部がしっかりしているか?

フランチャイズ本部は千差万別です。
本来は、フランチャイズ本部と加盟店はウインウインの関係であるべきです。

しかし、そんなことは関係なく本部が儲かればよい、というフランチャイズ本部は多く存在します。
そのようなところは、加盟への勧誘もかなり強引です。またリスクの説明もしません。

そこで、本部がしっかりしているかどうかを確認するポイントをご紹介します。

1.本部に訪問したときに、きちんとした接客対応ができている
2.加盟側の法人または個人宅にも視察に来る
3.既存の加盟店を紹介してもらい、オーナーの話を直接聞ける
4.失敗するリスクの説明がある
5.一般的なフランチャイズ契約までのルールを守っている

  • NDA秘密保持契約)を読み合わせの上で締結する
  • 契約前の法定開示書面(小売飲食関係は必須、それ以外でも用意をしている本部は増えている)の説明をきちんとする
  • 契約前に契約書のひな型をもらい、加盟側もリーガルチェック(法的なチェック)ができる

多少、堅苦しく思われるかも知れませんが、しっかりしている本部はこれらを徹底しています。

逆にこれができていないところは、本部と加盟店との間でトラブルが多く、訴訟となるケースもかなり出てきます。

ポイント4: 人材募集、集客のノウハウはしっかりしているか?

まず何よりも、お客さまをいかに集めるか、つまり集客ができるかが大切です

店舗に看板をつけているだけではお客さまは来ません。
よほどおいしいとか、インスタ映えする盛り付けとか、何か特徴がないとクチコミもありません。

今の時代、チラシは費用対効果が悪くなっています。ネット集客やSNS利用など、あらゆる集客のノウハウがあるかどうかをきちんと確認することが重要です。

さらにスタッフの確保です。
ほとんどのフランチャイズのビジネスモデルでは、パートさんやアルバイトさんの募集をかけることになります。

それに加えて、国家資格が必要な業種は、その資格者を募集しなければなりません。
ただ資格を持っているだけではなく、リーダーとしての資質も欲しいところです。

塾の場合は、講師を集めるのも大変です。
多くは学生のアルバイトになりますが、塾は教育の場です。それなりの人材が必要となります。

このような、人材を募集して集めるノウハウがあるかどうかは極めて重要なポイントです。

ポイント5:「自分で考えノウハウを作り出す」という覚悟を持つ

最後は、ご自身の心構えについてです。

フランチャイズ本部のノウハウは全体の20%程度と考え、あとは自分で考えて工夫する、ノウハウを作り出す覚悟が必要です。

加盟当初は、本部のやり方を尊重して徹底的にやってみます。
しかし、どうもしっくりこない、なかなか結果が出ないというときは、どんどん自分なりのアレンジをしていくことが重要になります

本部のノウハウやマニュアルは確かに成功事例ですが、それがそのまま加盟店の環境に合うとは限らないのです。
この柔軟性がなければ、フランチャイズではなかなか成功できません。

以上、5つのポイントを理解した上で、じっくり検討してください。

加盟したら、結果が出るようにひたすら努力しましょう。


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