利益を増やす(損益計算書からのアプローチ)
まずは、決算書の「損益計算書」から見ていきます。
利益を増やすには、
(1) 売上を伸ばす
(2) 原価を減らす
(3) 経費(販売費および一般管理費)を削減する
これらの三つを、ほぼ同時に行う必要があります。
(1)売上を伸ばす
売上を伸ばすには、次の3つの方法があります。
(1)-1 現事業で増やす
(1)-2 周辺事業に参入する
(1)-3 新規事業に取り組む
これらのいずれか、または複数を選ぶことになります。
ここではガソリンスタンドを例にして、考えてみましょう。
(1)-1 現事業で増やす
ガソリンスタンドにおいては、本業のガソリン販売で売上を伸ばすことになります。
このためには、
・徹底的な安売り競争に参入することにし、ガソリン以外(オイル、車検、整備など)は一切売らない
・倒産しそうなガソリンスタンドの情報を仕入れ、M&Aを仕掛ける
などの方法が考えられます。
(1)-2 周辺事業に参入する
オイルや車検、修理や保険など、ガソリンではないが、ガソリンスタンドに関係の深い、ガソリン周辺商品を強化する方法です。
当然、既存の自動車整備業者や、自動車アクセサリー販売業者との戦いになります。
ですが、ガソリンスタンドはかなり強みを持っているので、従業員への販売教育をきちんと行えば効果は期待できます。
(1)-3 新規事業に取り組む
ガソリンや自動車以外の領域に進出することです。まあ何でもアリです。
何でもアリとはいえ、通常そこには既に参入している事業者がいると考えられます。
ですから、既存の事業者と少し違う「何か」があれば、十分に戦えるチャンスはあります。
このような感じになります。
皆さんの業種でも、考えてみてはいかがでしょうか。
(2)原価を減らす
こちらも、次の3つの方法があります。
(2)-1 現事業の原価を減らす
(2)-2 周辺事業で、原価の安いものを取り扱う
(2)-3 新規事業で、原価の安いものを取り扱う
同様に、ガソリンスタンドの場合で考えてみましょう。
(2)-1 現事業の原価を減らす
これは、かなり難しいと思われます。
そこでブランド商品(元請系列)ではなく、ノンブランド(自社ブランド)商品に切り替えるという方法が考えられます。
(2)-2 周辺事業で、原価の安いものを取り扱う
整備や修理のなかでも、板金・塗装などの分野への参入を検討します。
比較的原価を抑え、収益性をあげることが可能です。
(2)-3 新規事業で、原価の安いものを取り扱う
新規事業ですから、なるべく原価の安いものを探すことです。
(3)経費(販売費および一般管理費)を削減する
この「経費(販売費および一般管理費)を削減する」は、どの企業にもあてはまることです。
見直しのポイントは2つです。
(3)-1 人件費の見直し
(3)-2 全ての、販売費および一般管理費の見直し
特に、宣伝広告費や販売促進費、接待交際費、水道光熱費、賃借料などは大幅に削減することが可能です。
たとえば、通信費に販促用DMの郵送代が入っている場合、販促費の削減につながります。
ここまでは、損益計算書の「営業利益」までの見直しです。
では、もう少し先に行きましょう。
次に、「経常利益」ベースです。
ここには、「営業外収益」と「営業外費用」があります。
「営業外収益」が計上されることは、資金繰りにはプラスとなります。
問題は「営業外費用」です。
「営業外費用」は、借入金の金利と、受取手形の割引料が主なものです。
資金繰りを改善するためには、この二つの見直しも避けて通れません。
借入金の金利は、下げてもらえるかどうか、各金融機関に相談します。
ただしこの相談は、かなりシビアな話し合いになりますので、事前の準備を充分にしておくことを強くお勧めします。
受取手形の割引料は、資金繰りが厳しいから割り引くのであり、悩ましいものです。
得意先別に利益率と割引率を見てみると、利益がほとんどなくなり、何のためにそこに販売しているか分からないようなケースも出てくると思います。
場合によっては、取引そのものを止めて、ほかの営業開拓をする方が改善することも少なくありません。
冷静に検討してみましょう。
損益計算書からのアプローチは、上記のようになります。
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